IVR・クラウドIVRとは?PBX・CPaaSとの違いを用語から整理
公開日:2023/11/13 更新日:2026/09/04
公開日:2023/11/13
更新日:2026/09/04
電話を自動的に応答する仕組みが「IVR」です。クラウドIVR、PBX、CPaaSなど、周辺の用語は似た文脈で使われますが、指しているものはそれぞれ異なります。
この記事では、IVRに関する基本的な用語を整理します。
IVRとは
お問い合わせ先や企業の代表電話番号に電話をかけると、「製品についてのお問い合わせは1を、サポートについては2を、その他のお問い合わせは3を…」のように、ボタン操作を案内する音声ガイダンスが流れます。ガイダンスに従って目的のボタンを押すと、適切な通話先に取り次がれます。この自動的な応答のフローを実現する仕組みが「IVR(Interactive Voice Response)」です。
英語での本来の意味は「対話型音声応答」ですが、日本では「自動音声応答」と訳されることの方が多いようです。
コールセンターや企業の問い合わせ対応、官公庁での窓口誘導、ホテルやレストランの予約、病院の案内など、多様な用途で活用されています。
クラウドIVRとは
インターネットを通じてIVRのサービスを提供しているものを「クラウドIVR」と言います。専用の装置や機器、設置工事を必要としない点が、従来のIVRとの違いです。
ワイドテックが提供している「NEON IVR」もクラウドIVRです。
オンプレミス型との違い
| 項目 | オンプレミス型IVR | クラウドIVR |
|---|---|---|
| 設置場所 | 自社の構内に専用機器を設置 | 事業者のデータセンターやクラウド上 |
| 導入工事 | 必要 | 不要 |
| 初期費用 | 機器・ライセンスの購入費が発生 | 機器の購入が不要 |
| 設定変更 | 事業者への依頼が必要な場合がある | 管理画面から利用者が変更できる場合が多い |
| 利用場所 | 設置した構内が中心 | インターネットに接続できる場所 |
PBX・クラウドPBXとの関係
PBX(Private Branch eXchange/私設交換機)は、企業内の電話を制御する装置です。「主装置」と呼ばれることもあります。
かつてIVRは、PBXの機能、またはPBXと組み合わせて使う外部装置として、オンプレミス(構内設置型)で提供されるものしかありませんでした。用件録音を提供するために、通話録音装置などを別途接続する必要がある場合もありました。
そのPBXは、クラウドPBXの登場により、データセンターやパブリッククラウド上でサービスとして提供され、電話端末をインターネット経由でつなぐ形に変わりました。
同様に、IVRもクラウドPBXの一部として、あるいはクラウドPBXやCPaaSを応用した単体のサービスとして「クラウドIVR」が登場しています。
CPaaSとは
CPaaS(Communication Platform as a Service)は一般に「シーパース」と読まれ、APIの形で電話・SMSなどの通信を提供するサービスを指します。基盤にあるのはクラウドPBXです。
APIであるため、そのまま電話として使うことはできません。電話・SMSサービスを提供したいサードパーティが、各自のWeb UI(ユーザーインターフェース)などを付加して利用することを目的としています。
代表的なCPaaSとしては、「Twilio(トゥイリオ)」や「Vonage(ボネージ)」、「Amazon Connect(アマゾン・コネクト)」などが知られており、いずれも海外発のグローバルなサービスです。
CPaaSを基盤にしたサービスの注意点
CPaaSを用いることで、電話やSMSに関する開発・運用の技術や経験がないサービスプロバイダーでも、電話やSMSの応用サービスを提供しやすくなります。一方で、サービスの中枢を外部に依存し続ける構造となるため、次の点に注意が必要です。
- サービス仕様が、CPaaS側の仕様に左右される
- 海外のCPaaSの通話・通信料金は、一般に国内のIP電話より高額である
- 海外発のCPaaSでは、発信に加えて着信にも課金される(提供料金に着信課金が反映される)
IVRサービスを比較する際は、そのサービスが自社基盤で提供されているのか、CPaaSを基盤にしているのかによって、料金体系や機能の拡張性が変わる場合があります。
IVRに関する用語一覧
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| IVR | 自動音声応答。音声ガイダンスとボタン操作により、着信を自動で処理する仕組み |
| クラウドIVR | インターネット経由で提供されるIVR。専用機器や設置工事を必要としない |
| PBX(主装置) | 企業内の電話を制御する交換機。内線・外線の接続や転送を担う |
| クラウドPBX | データセンターやクラウド上で提供されるPBX。端末はインターネット経由で接続する |
| CPaaS | API形式で電話・SMS機能を提供するプラットフォーム。単体では電話として使えない |
| 応答フロー | 着信後にどのガイダンスを流し、どの番号でどこへつなぐかを定義した一連の流れ |
| 分岐(アクション) | 応答フローの中で、押された番号ごとに実行する動作。通話接続・用件録音・SMS送信など |
| 多階層IVR | 分岐先にさらに別のガイダンスと分岐を設ける構成 |
| 用件録音 | 応対できない場合に、発信者の用件を音声で録音する機能 |
| 音声合成(TTS) | 入力したテキストから音声を生成する機能。ガイダンスの録音が不要になる |
| 外線転送型IVR | IVRで受けた着信を、外線を経由して既存の電話番号へ転送する方式 |
| ACD | 着信呼自動分配。あらかじめ決めた規則に従って着信をオペレーターへ振り分ける仕組み |
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